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2011年11月15日火曜日

リアクタンスの説明


磁束がある所に電流を流すと電流に力が加わります。これをフレミングの左手の法則と言い、モ-タの原理です。即ち磁束の方向が人差し指、電流の方向が中指、力を受ける方向が親指です。
 磁束がある所を導体が動けば電圧が発生します。これをフレミングの右手の法則と言い、発電機の原理です。即ち磁束の方向が人差し指、導体が動く方向が親指、電圧が発生する方向が中指です。
 このように磁束と電流は表裏一体の関係にあります。
 電流が流れるとその周りに磁界が発生します。電流が右ネジの進む方向に流れる時、磁界はネジを回す向きに発生し、ル-プを形成します。これをアンペアの右ネジの法則といいます。
 空間は磁束が変化する事に対して抵抗します。この抵抗する力の事をインダクタンスといい、通常我々はLであらわしています。この抵抗の度合いは電流を1(A)流した時、電流が流れている方向に対して磁束が何本鎖交しているかを考え、鎖交磁束と言うものを考えます。即ち鎖交磁束=磁束の本数=Lと考え、Lが大きければ大きいほど抵抗は大きくくなると考えるのです。
 電流が変化した時、当然磁束も変化しなければなりません、磁束は空間から変化する事に対して抵抗されますから、結局電流も変化する事に対して抵抗を受けるのです。この事は電流が激しく変化すればするほど抵抗が大きいのです。この変化の度合いを周波数=fとしてω=2πfとし、電流が流れる事に対する抵抗の度合いを空間からの抵抗=Lと電流の変化からくる空間の抵抗を掛けてωLと言うのが電流が流れた時の全部の抵抗なのです。これを我々はリアクタンスと呼んでいます。
 電線に電流が流れていると、電線の内部にも外部にも磁束が発生します。電線内部に7本、外部に3本の磁束が発生したとします。電線の中心では10本の磁束と鎖交しており、電線の表面では3本の磁束と鎖交しています。即ち電線表面の方が鎖交している磁束の数が中心部よりも小さいく、抵抗が小さいと言う事になります。これが表皮効果の説明です。
 電線が二本ある時、Aの電線はA自身が発生する磁束と全て鎖交しています。これを自己インダクタンスといいます。Aの電線はBが発生する磁束の一部とも鎖交しています。これを相互インダクタンスといいます。
 3相で単心ケ-ブルを3本平面的に布設した時、各相の磁束は位相が120度ずれている為お互いに干渉しあい、ケ-ブルを近づければ近づけるほど鎖交磁束の数が減っていくのです。だから単心ケ-ブルを付けた状態から離していくとωLの値はどんどん大きくなっていくのです。参考まで単心ケ-ブル100sqS=D0.103S=2D0.147S=D0.172Ω/Kmとなる。また3心ケ-ブルからは外部に磁束は出ません、何故なら3相電源なので3相電流の和は0であり、従って磁束の和も0となるからです。
 R相に7本の単心ケ-ブルを平面的に布設した時、電流は同相なので干渉はおきません。
今までの説明から両端と真中のケ-ブルとでは真中のケ-ブルが明らかに鎖交磁束が多いですね、だから両端のケ-ブルの抵抗が真中のケ-ブルより小さくなり、多くの電流が流れてしまうのです。この度合いはケ-ブルの本数が多くなればなるほど、ケ-ブルを近づければ近づける程激しくなるのです。
 以上これらの事を理解しておけば電気工事での施工禁止事項(単心ケ-ブルを一本だけ鉄の電線管に入れてはいけない等)が理解できます。

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