A)%Zの定義
変圧器(其の他の機器及び線路も同じ)で説明すると2次側を短絡して1次側に
電圧を徐々に加えていく。 2次電流が変圧器の定格電流になった時の1次電圧
を1次定格電圧で除した値x100を%Zと言う。
B)%Zの意味
%Zだけでは何の意味もない、何KVAの何%と言って初めて意味を持つ。
%Zには%Rと%Xとがあるが、説明を簡単にする為に%Zだけで説明をする。
念の為%Z=%R+j%Xだ。実際の計算では%Rが%Xに比べて小さい事か
ら%Xだけで計算する事が多い。
C) %Zの使い方
2000KVA Tr 11KV/400V %Z=5%の変圧器の2次側を短絡してTrの1次
側に電圧を加えた時2次側に定格電流2000/(√3x0.4)=2,886.8Aが流
れた時の電圧は11,000x0.05(5%)=550Vである、では550Vの20倍
(1/0.05)の電圧(11,000V)をTr1次に加えたらZ(インピ-ダンス)
は一定だからTr2次側には2,886.8x20=57,736A流れる、これをTrの2次
短絡電流という、この値はTrの2次定格電流/0.05(5%)と同じである。
短絡電流=定格電流/(%Z/100)で表す事ができる。
D) 基準KVA
4000KVA Tr 24KV/ 11KV 6%とする。
2000KVA Tr 11KV/0.4KV 9%とする。
電源側の%Zを0として4000KVAの2次側を短絡すると
定格電流=4000/(√3x11) = 210A
短絡電流=210A/0.06 =3500A流れる。
それでは2,000KVAの2次側を短絡すると何A流れるだろう?
どう考えるかは2000KVAのTrに定格電流の2倍の電流を強制的に流して
みると電圧降下は2倍になる。逆に定格電流を流して%Zが2倍になった
と考えても同じである、この一連の考え方を2000KVAで%Z=9%
を4,000KVA(2,000KVAの2倍)基準に換算すると9%x2=18%にな
ったと言いう。ここで始めて基準が同じになったので2000KVA Trの2次
側%Zは4000KVA基準で6+18=24%であると言える。
即ち 新%Z=基準%Z/%Zとなる。
ここで注意しなければ成らないのは2000KVA Trの2次短絡電流を求める時
基準定格電流 =4,000/(√3x0.4)=5,773A
短絡電流 =5,773/0.24=24,054Aとしなければならない。
E) 短絡電流の計算例
電源側%Z %Z=0とする。
5000KVA Tr 77KV/11KV %Z =8%
1000KVA Tr 11KV/0.4KV %Z =6%
1000KVAの2次側の短絡電流を計算してみよう。
基準定格電流 | 合計%Z | 短絡電流 | |
1000KVA基準 | 1,443A | 1.6+6=7.6 | 18986 |
2000KVA基準 | 2,886A | 3.2+12=15.2 | 18986 |
3000KVA基準 | 4,329A | 4.8+18=22.8 | 18986 |
4000KVA基準 | 5,772A | 6.4+24=30.4 | 18986 |
5000KVA基準 | 7,215A | 8+30=38 | 18986 |
10000KVA基準 | 14,430A | 16+60=76 | 18986 |
この様に基準KVAは何でもよい。
F) %ZからΩへの変換、Ωから%Zへの変換
ケ-ブルのZが0.03Ωだったとすると2000KVA(0.4KV)基準では何%
定格電流=2000/(√3x0.4)=2886A
電圧降下=√3x0.03x2886 =150V
%Z =(150/400)x100 =37.5%
逆に%Z=37.5%から Ωを出すにはどうしたら良い
定格電流が流れた時400Vx0.375=150Vの電圧降下を起こすから
150=√3xΩx2886からΩを求めれば良い。
換算式を覚える必要はない
G) 受電点での%Zを調べても不明の場合が多い、その時受電用遮断器
が250MVAのを使用しており、構内基準%Zが2000KVAであれば、 2000x100/250000=0.8%と計算する。
H) パーユニット法
通常は%Zを1/100にして計算する。
0 件のコメント:
コメントを投稿