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2011年8月30日火曜日

避雷器に関すること(1/4)

避雷器の必要性に関する現象

A) 電源線や通信線に生じる雷過電圧

直撃雷:配電線や通信線、建物、アンテナ、機器などへ雷が直接落雷した時発生する過電圧

で、極めて大きい。

誘導雷:近傍の樹木や避雷針に落雷した時、雷の放電路を流れる電流により、周囲の電磁界が

急変する事により、線路に誘導される過電圧。

逆流雷:建造物などに落雷した時、その接地電位が上昇して、その建造物に引き込まれている

配電線や通信線に雷電流が逆流する事によって線路に生じる過電圧。

B)外部雷・内部雷の保護

外部雷:避雷針によって保護する。

内部雷:低圧回路に侵入する雷サ-ジの経路は下記の4つが考えられる。

1)避雷針への直撃による電磁界による誘導サ-ジが発生する。近傍落雷時のアンテナへの誘導により雷サ-ジが低圧回路に侵入。

2)高圧配電線に直撃又は誘導された雷サ-ジが低圧側に侵入。近傍の落雷によって低圧配電線に雷サ-ジが誘導される。

3)外部引き込みの通信や制御線に雷サ-ジが誘導される。従って屋外ではケ-ブルの保護には誘導を低減する為鋼管を使用する事。

4)避雷針や建物への落雷時に大きな雷電流が流れて大地の電位が異常に上昇し、近傍の機器接地を通り、雷サ-ジが低圧回路に侵入する。

対策 :建物や設備に侵入した雷を低減する対策

雷サ-ジの侵入は機器の信号側、電源側、ア-ス側の三方向から考えられる。

1)機器の電源側と信号側に避雷器を設ける、機器の接地は避雷器の接地と最短距離で接続し大地に一点接地する、これは雷サ-ジに対してどの侵入経路からみても同電位であるようにしなければならないからだ。

2)ケ-ブル・シ-ルド線の端末は片端接地とする。

3)信号線にコモン線がある場合はコモン線にも避雷器をとりつける。

4)一次と二次線間に静電シ-ルドを施し一次、二次間の絶縁強度を上げた1対1の変圧器を取り付ける。電源線からの雷サ-ジに対しては極めて有効である。

5)高圧からの雷侵入には変電設備の変圧器に混触防止板を付けるのが極めて有効である。

6)これらの現象に対して完全に対応するためには、同電位ボンディングという考えが極めて有効である。

a) 建屋がメッシュ状にアースされており、接地抵抗が極めて小さい事

b)建屋内の全ての磁性体(空調ダクトから天井金物、窓、扉フレーム等)がボンディングされていること、そして建物鉄骨へのボンディング線が最短距離で設置されていること。

c)電源線若しくは通信線は避雷器を通して等電位接地線に接続されていること。

 この3つがシステム的に構成されていないと、部分部分で幾ら避雷器を付けたといっても無駄である。

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