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2011年7月30日土曜日

高調波(5)進相コンデンサー設置による効果

進相コンデンサ-設置による効果
 
 需要家は有効電力も無効電力も必要とする。しかし電力会社からみて有効電力の供給はどうしてもしなければならないが、無効電力の供給は出来るだけ少ない方がよい、何故ならば電力会社の設備は有効電力と無効電力のベクトル和である皮相電力に比例するからである。


これを避ける方法は進相コンデンサ-に無効電力を吸収してもらい電力会社の方へ無効電力が流れないようにすればよい、故に電力会社として力率85%を境に85%を超えれば電気料金の割引、85%を下回れば罰金という制度を作った。
 
この制度により何処の需要家でも進相コンデンサ-を設置して電気料金を安くしようとした。ただこの制度は進みすぎの罰則がないため、小容量需要家はコンデンサ-の突入電流を抑えるリアクトルなし(コンデンサーが小容量だから)で高圧側に接続しっぱなしで設置した。
 
このことは現在電力系統に接続されている負荷、電源(太陽光発電等電源装置、高調波)の増大により3つの問題を引き起こした。

1)夜間、休日等の軽負荷時、負荷には多くのコンデンサーがぶら下がっている状態となり、フェランチ効果による受電端電圧上昇


2)太陽光発電等電源装置が電力会社に電力を売ろうとして、発電電圧を電力会社の電圧よりも上げようとしてさらなる、フェランチ効果による受電端電圧上昇を超える受電端電圧上昇を起こしていること。


3)コンデンサーを高圧側に付けたことにより、需要家が発生した高調波はほとんどコンデンサーに吸収されずに電力会社の方へ流れ込んでいく。
 
最近は高調波の問題が大きくなり、直列リアクトルの適切なる設置が考えられる様になってきた。第5調波電流の増大に鑑み直列リアクトルの第5調波に対する電流強度もJIS規格において35%から55%に変更された。
 
高調波電流も電源側から観ると無効電流と何ら変わりなく。計算も無効電流に対する方法と全く同じである。ただし計算上第N調波に対してリアクトルはN倍、コンデンサ-N分の一のリアクタンスになるだけである。

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