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2011年7月28日木曜日

高調波(2)高調波が機器に与える影響として下記のものがある。



高調波が機器に与える影響として下記のものがある。

 A)誘導障害
 通信線などへの誘導障害には電磁誘導によるものと、静電誘導によるものがあるが通常は
電磁誘導によるものの影響のほうが大きいため、静電誘導はそれほど問題にする必要はな
い。変換装置より発生する高調波は正相成分、あるいは逆相成分のみで零相分は存在しない
ので、送電系統のインピ-ダンスなど各相が等ければ、大地帰路電流が発生せず電磁誘導は
生じない、しかし実際の系統では電力ケ-ブルのシ-ス、架空送電線架空地線などの良導体
の影響により誘導障害が発生する事がある。


B)逆変換装置の余裕角減少
 整流装置を逆変換運転する時、変換装置の転流電源、すなわち整流器運転の入力側の電圧
波形に歪みを生じると逆変換運転の余裕角が変化する。余裕角が減少した時、転流失敗の発
生する確率が増えてくる、転流電源の高調波歪み成分は、発生する高調波電流とその点から
電源系統をみたインピ-ダンスの積にほぼ比例する、したがって電源インピ-ダンスが大き
いほど電圧歪みも大きくなる、また系統が共振状態となると共振周波数での歪みは非常に大
きいものとなる。


C)電力系統の共振現象     
 高調波発生負荷を含む系統において、その系統の高調波含有率が小さくても系統の電力ケ
-ブ力率改善用コンデンサ-などの影響で共振現象が生じると系統の電圧歪みは非常に拡大
され、高調波発生機器である整流器などの発生高調波電流よりも大きい高調波電流が系統の
電力ケ-ブル、コンデンサ-との間を循環する事がある。


D)回転機、コンデンサ-の過熱
 同期機、誘導機などに高調波電流が流入すると固定子巻線、ダンパ巻線などの温度上昇の
増加、 電圧波形の歪みをもたらす。一搬的に回転機はそうした高調波に対してある程度耐
えられる様設計されている。
コンデンサ-においては高調波電流に対する回路のインピ-ダンスが共振現象により減少
し、 過大電流が流入する事により、過熱、焼損、あるいは振動、唸りを発生する。又全て
の鉄心を持つ機器は鉄心の磁歪現象により唸りの発生、鉄損、銅損の増加をともなう。


E)継電器、電子機器への影響高調波電流或いは電圧による設定レベルの超過或いは位相変
化による誤不動作がおきる。


F)水銀灯、蛍光灯への影響
 水銀灯、蛍光灯は、ランプに直列に安定用リアクトルLを設ける為、力率が低下する、そ
れを補償するため進相用コンデンサ-Cを設ける、ところが波形歪みの大きい回線で使用す
ると、高調波がCに流れ過負荷となり、Cの過熱によりコンデンサ-がパンクする。


G)電力量計
 電圧、電流有効磁束が非線形特性により磁束変化が完全に対応しない事による測定誤差。  
電圧歪み率10%以下とする事。電圧正弦波の波高値は波高値低下を10%以下とする事。勿
論高調波は出来るだけ少ない程良いがこの値を超えると色々な機器が誤動差を起こす。


H)音響機器
 高調波電流、電圧によるダイオ-ド、トランジスタ、コンデンサなど部品の故障、寿命の
低下、性能の劣化、雑音、映像のちらつき等を生じる。

I)発電機に接続出来る整流器の入力kVAは下記の通り。
6相の場合      発電機容量の20
12相の場合      発電機容量の46
24相の場合      発電機容量の87

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