泊原発の停止により、日本で稼働している原発がなくなった。このまま続いて欲しい。この状態がこのまま続けば安心して生活できるし、未来の人達に迷惑をかけないで済む。とは決して言えないのだ。簡単にいえば54基の原発そのもが核破棄物で今後何10万年も高濃度核破棄物とプルトニウムの処理及び管理をしなければならないのだ。
マスコミは高濃度核破棄物とプルトニウムの処理及び管理の問題を何故あまり放送しない、放送しない理由何かあるのだろうか?今後何十万年もという言い方は決して大げさではない。
劣化ウラン
天然に存在するウラン鉱石を濃縮するとウランが出来る。この中にはウラン238とウラン235(0.7%)あるが核分裂するのはウラン235だけである。0.7%では核分裂をしないからウラン235の割合を3%まで濃縮する。残りのウランには0.2%のウラン235が含まれる(これを劣化ウランという)が天然ウランの0.7%より低いから処理に困りアメリカはイラクで砲弾に使ったらしい。
使用済みの核燃料
大雑把にいえばウラン238(97%)とウラン235(3%)の混合ウランを原発で燃やせばウラン238はプルトニウム239に変わり、このプルトニウム239は高速中性子を吸収して核分裂を行なう、実際の原発でもこのプルトニウム239が核分裂をしているのだ、原発を稼働しているとこのプルトニウム239がだんだん増加してくる、プルトニウム239の核分裂はウラン235よりも効率が良いため、このまま稼働することは原子炉の安全を脅かすため、ウラン235(1%)、プルトニウム239(1%)、その他(1%)の段階で稼働を中止する。通常の原子力発電を続ければプルトニウム239が自動的に出来るのだ。
使用済みの核燃料の処理
使用済みの核燃料の中にもまだウラン235が1%有るから、再処理すればもう一度燃料として使える。しかし日本は再処理工場が無いから、再処理をフランス、イギリス等に依頼していた。フランス、イギリスからウラン燃料、プルトニウム(プルトニウム239は60%らしい)、高濃度核破棄物が帰ってくる。かくしてプルトニウムと高濃度核破棄物と核燃料が夜の国道を走る事になる。絶対安全だという神話の元に。
六ヶ所村再処理工場
これではいけないと原子力村の人達は考えた。かくして当初予算6300億円で始めた工場建設が2兆2000億円以上に膨らみ、2009年2月の完成予定がトラブル続きでいまだに完成していない。一旦始めたら止まらないという役人の性をいかんなく発揮している。
プルトニウム
プルトニウム239はウラン235の10分の一の量で原子爆弾が可能だ、それ故日本はIAEAより世界一厳しく監視されているのだ。原子力村の人達はこれには困って、原子力発電を停止することを露ほども考えず、プルトニウムの使用を考え出したのだ、それが夢の高速増殖炉「もんじゅ」なのだ。 夢の高速増殖炉は文字どうり「夢の高速増殖炉」となってしまった。何故なら日本以外の国の全ての国がプルトニウム原発の研究開発の余りの難しさのため中止してしまったのだ。高速増殖炉が上手くいかないものだから、今度はウラン235にプルトニウム239を混ぜて発電するプールサーマルなんてものも考え出した。
プルトニウムの量
日本政府が正式に発表していないから、良く解らないがNetによると45tくらいあるらしい、原子爆弾が4500発製造可能だ。日本のプルトニュウムはイギリスにもフランスにも各原発にも、六ヶ所村にも、要するに我々はプルトニウムが現在どこにどれだけあるか、解っていないのだ。プルトニウムの名前の由来はプルート(冥界)から来ているように、極めて毒性が強い、さらに困ったことにプルトニウムの半減期は2万4000年なのだ。
六ヶ所村再処理工場への移住
六ヶ所村再処理工場がある六ヶ所村の平均年収は1363万だそうだ、だから低年収に苦しんでいる老人は、住民票を六ヶ所村に写し、5年間原子力の事故が起きないことを願い、貯金をして沖縄(原子力からは安全)で余生を送ったら良い。
泊原発の停止
即ち泊原発の停止によって良かった、良かったと手放しで喜んでいる場合ではないのだ。現在高濃度核破棄物の処理方法が決まっていない、高速増殖炉も上手くいっていない、六ヶ所村再処理工場も上手くいっていない。だから原子力村の人達は原子力を止めてはいけないという思考に陥ってしまうのだ。
今後の動向
現在原子力を止めたてからといって、今後安全かというと決してそうではない。福島4号基の燃料プ-ルの危機で明らかになったように、核物質の処理方法が決まっていないから、54基すべての原子力発電を止めると、一気に燃料及び高濃度核破棄物の保管に関して危機が飛躍的に増大するだ。一気に原発解体を決めたら、今後原子力を続けるよりも一時的に原子力災害の確率が高くなるのだ。
原子力村の人達はこの事を良く理解しており、全ての原子力発電を止めた時、核廃棄物の問題、ウラン、プルトニウムをどう処理していくかとういう問題がクローズアップされることを恐れているのだ、原発を止めることにより、何の利益(原子力発電により電気を得ることができる)もなく、年間何千億円という処理費用を永久に垂れ流しなければならないことに対して世間から激しく断罪されるされるだろう。だから原子力村の人達はこの様な事態に成らないよう、原発を続ける事により、この問題(核廃棄物んぽ処理)を覆い隠す、又は矮小化する為に、ぜひとも原発を続けたいと思っているのだ。それ故ぜひ原子力の再稼働は原子力村の人達にとって自分達の責任回避、又自分達が食う為に必要だと考えているのだ。
福島原発の可動を10年伸ばしたことだって本当の意味は核物資の処理が決まっていなかったからだ。だから原子力村の人達の思考の中には、明らかにこのまま原子力を続けて54基全てを停止した時、燃料及び高濃度核破棄物の保管というマイナスの仕事しかないということに危機感を感じているのだ。そして問題を先送りして自分が生きている間は原子力で飯を食いたいと思っているのだ。同時に核物質の保管にしても何の案ももっていないことに不安を感じているのだ。
最終処理方法(土中に埋めるしかないが地震国日本にはそんな所は無い)が決まるまで高濃度核破棄物を冷温保管するしか方法が無い。冷温保管は2年とか3年ではなく、何十年、何百年と続けなければならない。さらに給水が止まったら核物質の爆発拡散が起きる。さらにプルトニウムの保管はどうするのだろう?保管場所はすでに政府が物色していて、候補地が決まっているが、この時勢発表することはできないし、場所自体安易に考えて決めたから、よけい発表出来ない。54基全て停止した時次の原子力災害は六ヶ所村で起きるだろう。
そして54基全てを止めた時、その核破棄物の処理に戸惑い、その処理方法が無く、自己嫌悪に陥るだろう。毎年何千億円という金を費やし、そこから何の利益も引き出すことが出来ず、核事故の恐怖に怯え、原子力村の人達も、原子力に賛成した人も、反対した人も何故もっと激しく反対しなかったのだと、つまり全ての人が激しく後悔するのだ。
原子力の不利益をかき消す為に、原子力の利益を大きく、大きく見せてきた、だから今原子力が無い時期を出来るだけ長くして、日本国民、マスコミ、政府が核廃棄物質をどう処理するかをじっくり考えてみたらよい。そしてじっくり考えれば考えるほど解決方法は無いと気が付くはずだ。
核廃棄物質を安全にどう処理できるかを明確に説明できる人なんか原子力村の人にも、日本人全国民の中にもただの1人もいないのだ。いや世界中に一人もいないのだといってもよい。すでに人類はパンドラの箱を開けてしまったのだ。この問題をこれ以上大きくしない為に、日本は人類の為直ちに原子力発電を即刻国停止するべきだ、そして自然エネルギーを基としたシステムを開発して世界に示すべきだ。
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