天然ウラン(ウラン235=0.7%)を濃縮してウラン235を3%程度にすると、残りのウランはウラン235が0.25%程度になる、これを劣化ウランという。1Kgの低濃縮(3%)のウランを製造すると5~10Kgの劣化ウランが出来る。
劣化ウランの使い道は砲弾、使用済燃料輸送容器等に使用されるが、ほんのわずかである、即ち劣化ウランは貯蔵量がドンドン増えていくという事である。
ウラン(ウラン235=3%)を原子力発電で核分裂させれば100万Kwの原子力発電所で天然ウランが160t必要だ。ここから低濃縮ウランは25t、劣化ウランは135t出来る。
100万Kwの原子力発電所で低濃縮ウランを核分裂させればウラン235が核分裂をし、ウラン238が中性子を吸収してプルトニウム239(プルトニウムの約60%)となる。このプルトニウム239も核分裂して原子力発電に寄与(30%)する。
最終的にはウラン235(1%)、プルトニウム(1%)、その他放射性物質(1%)となる。
即ちプルトニウム250kg、他放射性物質250kgが生成される。
臨界量はウラン235で46.5(Kg)、プルトニウム239で10.1(Kg)だが、工夫をする事によりウラン235は3(kg)、プルトニウム239は1(kg)で原子爆弾が可能である。
要するに日本は原子爆弾の原料プルトニウムをドンドン溜めこんでいる事になり、現在45(t)位はあるようだ、即ちプルトニウム型原子爆弾45,000発製造可能の量を持っている事になり、これもまたドンドン増え続けているのだ。
ダイオキシンもプルトニウムも化学的毒性は変わらないと思うが、ダイオキシンは化学的処理により分解する事が出来るが、プルトニウム及びその他核破棄物は放射能障害を無害化するのは不可能なのだ。プルトニウム239は24,000年後にようやく量が半分になる。
問題は放射性物質の直線的な増大だけでなく、原子力発電所そのものが核破棄物なのだ。まだ大規模商業用原子力発電所を解体した例はなく、日本原子力発電東海原子力発電所(16.6万Kw)の廃炉作業約930億円だそうだ。
電気事業連合会は原発破棄費用5000億円程度といっているが。やった事が無いので、本当の事は解らない、再処理工場も当初の予算の3倍を超えてもまだ稼働していない例を見れば、おそらく完全破棄まで30年、費用は2兆円を超すのではないかと思う。
30年後に、その原子力発電所が更地になり、農地に成ったところで、核破棄物は別の場所で今後数十万年に渡って管理しなければならないのだ。この様な管理が出来る筈がない。
要するに人類はパンドラの箱を開けてしまったのだ。日本は直ちに原子力発電を停止して、自然エネルギーに転換するべきである。
原子力村の人達はメルトダウンを隠して、次に30年間住めないことを隠して、ショックを和らげるつもりか、小出しに出してくる。
まだ隠している事はウラン及びプルトニウム汚染の事である。福島発電所の全ての原子炉内に大量のウラン及びプルトニウムがあるのに、半減期30年のセシウム137の報道ばかりしている。
最近は除染などと、これまた絶対的に不可能な事をしようとしている。除染すればするほど、人為的な放射能物質の濃縮という問題が出てくる。さらに自然界における濃縮という問題もこれから起きてくるだろう。
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