電気工事屋ならωLを観念的に理解する事が必要だ。その前にLの定義をしっかり理解しよう。ωを角周波数と言いω=2πf(f=周波数)、ωLをリアクタンス、Lをインダクタンスと言う。ωLにjをつければjωLをインピーダンスと言う。
インダクタンスLの定義は回路に1Aの電流を流した時、その周りに出来る磁界ができるが、その回路が電束と鎖交している磁束数に等しい。
今電流の閉回路(円形と想像して下さい)を横向きに置いて、それに磁束の環が縦に交差しているのを想像すること。磁束が電流環を下から上に突き抜けている磁束の数を+とし、上から下へ抜ける磁束を-とすると、その+-の総数が鎖交磁束数=Lとなる。
電線1本の時の鎖交磁束の説明アンペアの右ネジの法則を使って説明する。電線1本が自分の目からコンピュ-タ画面に向かって垂直に走っている。そこに電流が自分の目からコンピュ-タ画面に向かって1アンペア流れている、すると電線(導体)の中及び電線の外部に磁束が円形に右ネジの法則に従い右回りにでる。その時電線の内部に磁束が10本、電線の外部に50本磁束が出来たとしよう(磁束が数えられる訳ではないが頭の中で想像すること)。
電線の中心部では10+50=60本の磁束と鎖交していると考える(鎖交とは電線の中心部の線を閉ル-プで閉じている磁束の事)。つまりL=60なのです。
電線の表面では50本の磁束と鎖交している。(鎖交とは電線の表面の筒状の円筒を閉ル-プで閉じている磁束の事、筒状の円筒内部の10本は閉ル-プで円筒と鎖交していない。)つまりL=50だ。
つまりで電線内部ではLが60で電線表面ではLが50だ。即ち電線中心部のリアクタンスは60ωで電線表面では50ωだ。電流は抵抗の少ない所に流れていくが、電線表面の方が明らかに抵抗が小さい、従って電流は電線表面に多く流れる。これが表皮効果の説明である。
もし電線が太くなって、電線内部の磁束は20で外部は90となった時、リアクタンスは110ωと90ωとなり、表皮効果はより顕著になる。ωが大きくなった時はωLの差が大きくなり、それが表皮効果を招き、それがさらにLの差を大きくするので、電流が高周波であれば、電流は電線表面しか流れなくなる。
この事は自分が作った磁束が自分自身と鎖交しているから、このインダクタンスを自己インダクタンスという(Aの電線の自己インダクタンスをLAとする)。すぐ横に電線Bがあり、1A流れている。そうすると電線Bが発生した磁束60本の内何本かは電線Aの中心線と鎖交する。その本数をLBとすると電線Aの中心線のLはLA+ LBとなる。
このLBを相互インダクタンスという。ここで気づいたと思うが、LBの電流がLAと同じ方向であればLを増やし、反対方向であればLを減じる、よってL= LA± LBとなる。
三相電源で電線が3本あり、その3本が非常に離れていたとしたら自己インダクタンスだけ、その3本をどんどん近づけて距離0にすると(実際は出来ないから頭の中で考える)3相電流の合計は0(3相平衡電流と考えて)、従って磁束も0、従ってL=0となる。
即ち3相電源の電線を近づければ近づくほどLは小さくなる。
実例を挙げる。600V CVケーブル、50Hz、100sq単位はΩ/km
S=2dで0.146
S=d で0.105
CV-T で0.0883
CV で0.0777
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