ページ

2011年7月28日木曜日

高調波(4)第3調波について(9,15,21調波も同じ)

第3調波について(9,15,21調波も同じ)
 
日本で第3調波が問題になっているという事を聞いたことがありますか?おそらく電検の問題でデルタ結線がなければ(YY結線であれば)電圧が歪むとしか理解していないと思う。
 ここで本題と関係ない話をするが、世界の電圧は大きく分けてヨーロッパの400V系とアメリカの200V系に分かれ、日本は100V系である、アメリカとも違う。世界の中で日本と北朝鮮だけが同じ低圧系統である。韓国は日本のシステムから1997年に400V系に変更完了した。世界的にみるとヨーロッパと日本と北朝鮮以外のアジアは400V系の3相4線式でなされている。例えば中国は380/220Vだから動力には3相380Vで供給して電灯・コンセント負荷に対しては単相220Vを供給する。電灯負荷には安定器があり、コンセントにはスイッチングレギュレ-タ方式のOA機器があれば第3調波を発生する。この第3調波がR,S,T相に同量流れていたとすると、第3調波は120°位相をずらしても同じ波形のため中性線にはR相に流れている第3調波の3倍の第3調波電流が流れる。同様に3の整数倍高調波も線路電流の3倍が中性線に流れる。従って3相4線式では電灯・コンセント負荷が完全に平衡しているにも関わらず中性線には大電流が流れている。時には数百(A)流れている事もある。この中性線電流は中性線接地抵抗と中性線絶縁抵抗を見合いにして分流するから、中性線のどこかで絶縁が破壊しているか、悪いと、とんでもない事がおきる。
 ではなぜ日本に於いて照明・コンセントの第3調波が問題にならないかというと、単相三線式において両線路側を流れている電流は180°位相が違う。第3調波電流が両線路から中性点に流れ込んだ時、両第3調波電流は180°の位相差があるため相殺してしまい、同じ大きさの電流であれば中性線に流れる電流は0となる。

0 件のコメント:

コメントを投稿