高調波流出電流上限値になぜ第3,9,15,21調波がないか?
変圧器(安定器も変圧器である)の励磁電流は鉄損を供給する為の有効分と鉄心中に磁束
を通す為の無効分とからなっているが、鉄心の磁化特性は非直線性でかつヒステリシス現象
がある為、変圧器巻線に正弦波電圧を加えた時の励磁電流は、多くの奇数調波を含んだ歪み
波形となる。この中で第3調波が最も多いと言うことである。
この事を感覚的に考えると変圧器の1次に正弦波を加えて1次電流が流れ、この1次電流が
磁束を発生して、この磁束が2次電圧を発生する。逆に考えると2次電圧が正弦波である為に
は磁束は正弦波でなければならず、その為には1次電流は歪波形でなければならない。
線路に発生した第3調波は変圧器のΔ内を循環する電流によって相殺され、変圧器1次側(電力会社側には決して流れて出ていかない。もしY-Yであれば第3調波が流れる回路がないから、第3調波は流れず、電圧波形が歪むだけである。
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