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2014年8月7日木曜日

河豚の毒

河豚の毒

  フグは危険を避ける為その腹を膨らませる、又海底の砂を吹いて、出てくる小動物を 食べる。フグが膨れるのは、胃に膨張のうと言う袋があり、そこへ水又は空気を吸い込 むからである。中国では法律で禁止されている。フグは口は小さいが、分厚い唇の裏に ある四本の頑丈な歯で指や網を噛み切る、その歯でキリキリと歯軋りをする。魚には瞼 がないのが普通だがフグには特殊な瞼があってパッチリと目をつむる事が出きる、

 フグにはテトロドトキシンと言う毒がある、これはマフグ科の学名テトラオドンと
毒素を意味するトキシンとの合成語であり、フグの目や皮、特に肝臓や卵巣に多く含まれ、青酸カリの10倍以上の毒性があり、1匹で30人以上の成人を死に至らしめると言う。

 中毒症状は4期に分かれ食べて30分程で手が痺れ、舌が縺れる。胸が苦しくなり胃の中の物をもどして、立てなくなる。呼吸が困難になる。意識が鈍り、呼吸が止まる。解毒材はない。フグの毒は熱に強いから、いくら煮立ててもダメ。又養殖のフグには原則的に毒がない。

 フグ毒はフグ自身が作っているのではなく、フグの餌に由来する。フグ毒を作っているバクテリア(ビブリオ・アルギノティクス、フォトバクテリウム等 )は沢山おり、海洋中に何処にでも存在しており、それらをトゲモミジガイが食べ、それをハナムシロガイが食べ、それをフグが食べ段段濃縮されて毒となる。従ってフグの固体によって毒を持っている度合いが違う、又養殖のフグは毒の無い餌によって養殖されているから毒がない。フグ毒の食物連鎖の中に入っている動植物はフグ、トゲモミジガイ、蛙、アオブダイ、ハナムシロガイ、カブトガニ、ツムギハゼ、ヒョウモンダコ、ヤムシ、モミジガイ、イモリ、石灰藻である。

 尚カキにも有毒プランクトンが体内に入り、カキがフグ毒に匹敵する毒力を持つ状態になる事がある、カキのフグ毒の出荷基準はFDAで8MU(マウスユニット)である、広島では4MUとしている、400MUで発症すると言われている。1MUとはフグの皮や臓器1gで体重20gのマウスを30分で死亡させる事ができる量の事。1000MUであれば1000匹のネズミが30分以内に死ぬと言う量を言う、人間の致死量は1000MUと言われている。

フグの種類によってもフグ毒の量が違い、クサフグ、コモンフグ、ヒガンフグがフグ毒が強くトラフグは中間くらい、ハコフグは全くフグ毒はない。又同じクサフグでも固体によっても大きく違う。フグはフグ毒を外敵から守る為に利用しているらしい、同じ水槽に他の魚を一緒に入れると、その魚は決してフグに近づかない。

 フグの卵巣はフグの中で最も毒の高い所、これを2年間にわたって塩漬け及び糠漬けにして毒抜きをして食べるそうだ。ゴマフグの卵巣を1000リットルタンクに1.5年程30%の食塩につける。その後水水洗いして塩を取り糠、米麹、唐辛子に漬けさらに半年から1年程漬け込んで完成。当然トロドキシンの含有率が安全だということを確認して出荷する。どうしてこのように減毒されるのかは、まだよく解っていないそうだ。それにしても現在の製造法を確立するまで何人の人間が死んだのだろうか?昔トロドキシンのことを知らない時期どうやって安全を確認したのだろうか?きっと猫か犬に食べさせて安全を確認したのだろう。製造法が確立するまで何匹の猫や犬が犠牲になったのだろうか?

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