二ュ-トン物理学が成立する為には、この宇宙の何処においても時間と空間の性質は変わら
ない条件が必要であった。慣性の法則、加速度の法則、作用・反作用の法則でガリレオ変換
して観測者の立場を入れ替えていけば宇宙の果てまであらゆる現象が説明できるのだ。ケル
ヴィン卿は講演の中で「今日の物理学の視野の中には、もはやごくわずかな暗雲しか残って
いない、すでに我々はこの宇宙の全ての事象を、既知の物理法則のみによって完全に記述で
きる段階に達した」と発言した。
暗雲とは何故光が何も無い宇宙空間を伝わって来るのか、それは宇宙空間がエ-テルでみ
たされているからだ、しかしエ-テルの存在は確認されていなかった。マックスウエルの
「電磁場の方程式」の中に出てくる光速度は定数Cとしてでてくるのだ、これはガリレオ変
換が出来ない事を意味する。
宇宙空間において万有引力だけが支配的だとすると、恒星はお互いに引き合い、結局は宇
宙の崩壊を招くだろう。しかし無限で一様な宇宙が持つ困難は万有引力だけでなかった。そ
れは光にしても、無限で一様に恒星が分布しているならば全天が夜でも明るいはずだ、これ
はオルバ-スのパラドックスとして知られている。
地球は太陽の周りを秒速30Kmで回っている、マイケルソンとモ-リはひとつの光源から出
た光をハ-フ・ミラ-により90度開いた二つの経路に分けそれを反射鏡で再びひとつの光に
まとめてみた、二つの光の経路がエ-テルの風に対して異なる角度を持てば、それぞれの光
に対する向かい風の影響も異なり到達時間が違う、一旦2つに別れた光を再び一つにすれば
もし時間が違えば光の波がずれる、何度実験を繰り返しても、実験器具をどう回転させても
光の重なりは何の変化も起さなかった。この事は光が一定速度でありエ-テルは存在しない
事を示す。
どうしてもエ-テルの存在を信じたい人々は色々とこの説明を考えた、ロ-レン
どうしてもエ-テルの存在を信じたい人々は色々とこの説明を考えた、ロ-レン
ツとフィッツジェラルはエ-テルの中で運動する物体はその運動方向にそって空間が
√(1-(C/V)の2乗)の割合で長さが縮むからそれを検出する事は不可能だと主張した。
誰もがエ-テルの存在から抜け出す事が出来ず、誰もがマックスウエルの方程式の中での
光速度一定の重要性に気づかなかった。
ここに登場したのがアインシュタインなのだ。
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